雑誌などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。1950年に発表されて以来、半世紀以上経った今でもなお新鮮でモダンな美しさに溢れています。

このイージーチェアをデザインしたのは木製チェアを多くデザインしたあのハンス・J・ウェグナー。
ウェグナーは木を好んで用いる印象ですが、このフラッグハリヤードチェアで木だけではなく同じ天然素材であるスチールの扱いにも革新的なスキルとセンスがあることを証明しました。

フラッグハリヤードに腰掛けるウェグナー
フラッグハリヤードチェアの誕生は、とある夏の午後に訪れました。
ビーチで子供たちが遊んでいる間ウェグナーは快適な体勢を求めて砂浜を掘り出したのです。そしてどんどんその作業に没頭し、サマーハウスに戻った後、ビーチで得たアングルをすぐさま図面に起こしたのです。
また、名前にもなっているフラッグハリヤードとは旗を揚げる際のロープのことで、海辺で椅子の構想を練っていたとき偶然見つけたロープから生まれたと言われています。

その座り心地はまさに至極。シンプルでそぎ落とされたステンレススチールのフレームに、240mのフラッグロープで背と座を形成し、ロングヘアの羊毛が優しく身体を包み込み極上のリラクゼーションをもたらします。
休日の昼下がりに寝そべってうとうとと過ごしたくなる一脚です。

名前の由来にもなっているロープは、程よいテンションがかけられ絶妙な座り心地を生み出しています。
写真左側、お尻の部分のロープの編み方が他より少し間隔が広くなっているのがお分かりでしょうか?これにより腰掛けたときにきちんとお尻の部分が沈み、安定感を生み出しています。ウェグナーらしい機能性とデザインの両立をこの作品からも感じとることができます。
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